研究実績の概要 |
今年度は強誘電体薄膜, ナノ界面系のラシュバ効果を解析するために、ハイブリッドワニア関数の計算プログラムの開発をおこなった。このプログラムを用いて薄膜・界面系の層電気分極の解析をおこなった。これによってラシュバ係数の微視的な起源が明らかになった。これまでは点電荷モデルによって層分極の評価をおこなっていたが、ハイブリッドワニア関数を用いることで、量子力学に基づいた精度の高い層分極の計算が可能になり、電子分極・内部電場の正しい評価が可能になった。ハイブリッドワニア関数の手法はトポロジカル絶縁体におけるZ2不変量の計算, 異常量子ホール絶縁体(Chern絶縁体)におけるChern数の評価にも用いることが可能であり, それらについても応用計算をおこなった。研究成果の発表は, 主なものとして, 査読付き論文3報, 学会発表23件(招待講演3件, 国際学会13件)をおこなった。
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