従来のコンピュータに使用されている中央演算処理装置(CPU)に代わる次世代デバイスとして、4核Ru混合原子価錯体を用いた分子型量子ドットセルオートマトン(MQCA)論理回路に注目し、その実用可能性を探った。4核錯体の周辺に3組の入力を配置したモデルで論理回路としての動作をシミュレートしたところ、全16パターンの論理回路のうち10パターンで理想的に動作することが分かった。本モデルの論理演算時間は1 fs以内(THzオーダーのクロック周波数に対応)であることから、MQCAデバイスが従来型のCPUを上回る演算性能を有する可能性があることを明らかにした。
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