| 研究課題/領域番号 |
25790020
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| 研究種目 |
若手研究(B)
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| 研究機関 | 長崎国際大学 |
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研究代表者 |
中原 広道 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (00513235)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | ナノ機能材料 / ナノ医薬 / 肺サーファクタント / 複合材料 |
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| 研究概要 |
炭化フッ素鎖は、非常に強い疎水性と疎油性を同時に兼備している。また炭化フッ素化合物は、顕著な熱安定性、化学的不活性、低い分子間凝集能、高い気体溶解能、界面活性能、自己凝集能を示す。これらフッ素化合物は、薬理効果の発現・増強、体内動態の改善、選択性の向上への応用が期待されている。本年度は、部分フッ素化アルコールに占めるフッ素化度と物理化学的物性間の相関性を明らかにし、人工調製肺サーファクタントに対する効果的・機能的な添加物の開発を目的として研究をすすめた。フッ素化度の異なる部分フッ素化アルコール(FnHmOH)を新規に合成し、各種キャラクタリゼーションを行った。FnHmOHは293.2 から373.2Kの温度範囲で全て吸熱的に相変化を示した。予想に反して、F4H11OHとF6HmOHの融点は通常の長鎖アルコール(HmOH)よりも低い。一般に、高度にフッ素化された物質は、熱安定性が良いと考えられているが、炭化フッ素部の短いF4H11OHやF6HmOHは逆に温度感受性が上昇している。この現象の詳細は、現在各種X線測定装置により検討中である。また気／液界面にLangmuir単分子膜を作製し、各種2次元膜物性を測定した。その結果、融点挙動と同様にF4H11OHとF6H7OHは温度感受性が上昇していることが分かった。これらの結果より、F4基及びF6基の導入により物質の溶解度、相挙動、熱安定性等の性質をイレギュラーに変化させることが見出された。これらのイレギュラーな熱的挙動が解明できれば、人工調製肺サーファクタント添加物へ向けた部分フッ素化合物の分子設計に大いに役立つであろう。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
系統的な部分フッ素化合物の新規合成を滞りなく終えることができた。また、これらの試料は99％以上の高純度化に成功し、その後の基本的な物性評価も滞りなく終えることができた。解析の結果、予想外の結果に直面することになったが、現在Ｘ線測定の結果を取得中である。また、これら成果の一部の論文化にも成功しているので、研究の達成度としては、「順調である」といえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
フッ素・ハイブリッド型人工調製LSへの応用展開：既存薬Surfactenとの薬効評価を行います。具体的には、
(1) 既存薬Surfactenに対し、FnHmを導入し添加物FnHmの薬効に対する影響(in vitro)を解明する。ここでは特にFnHmの分子内におけるフッ素化度や親水基の種類に着目する。
(2) フッ素・ハイブリッド型人工調製LSのin vivo物性を測定し、FnHm添加によるフッ素化度の効果及び肺機能改善能に関して評価する。
(3) 特に薬効面及びコスト面に焦点を絞り既存薬Surfacten との薬効評価を行う。この時点までの研究の進展具合から問題点を洗い出し、今後の計画方針の策定を明確にする。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
申請段階ではHPLC システム (ポンプ、UV検出器、マニュアルインジェクター) ・日本分光(PU-2080, UV-2075, 7725i) 180万円を購入予定であったが、当該年度の交付額が減額（－80万円）されたため、当該機器の購入を断念した。そのため、次年度使用額が生じるにいたった。
次年度は、本採用課題の最終年度となるので、旅費と成果報告費にその多くを割り当て、研究活動に邁進する予定である。
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