非平衡系における分子集合体の新奇ダイナミクスとして,界面活性剤水溶液中をマイクロメートルサイズの油滴が自己駆動する現象が注目されている。本研究では,化学反応による油滴の運動制御を試みることで,これの新たな環境応答性の輸送体としての応用を図った。具体的には,一方向に駆動する油滴,自己駆動しながら分裂する油滴,変形しながら自己駆動する油滴および自己駆動を開始する油滴の構築を目指した。これらの現象は,いずれも化学反応と協同した油滴界面あるいは内部の状態変化によるものと考察され,非平衡系のダイナミクスとしてたいへん興味深い。
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