研究課題/領域番号 |
25790036
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
竹井 敏 富山県立大学, 工学部, 准教授 (90580069)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リソグラフィ / バイオマス / レジスト / 水現像 / 水溶性 / 極端紫外光 / 電子線 / 植物 |
研究概要 |
糖鎖化物を波長13.5nmの極端紫外光の吸収係数と10nmオーダーのパターン加工性を損なうことなく、デンプンから酵素分解・抽出・精製・高分子側鎖の誘導化し、アルカリ現像液を使用しない水溶性環境配慮型極端紫外光レジスト材料を準備した。 水溶性と水現像性を示す糖鎖化合物の一部の末端の水酸基を極端紫外光に感応するアクリレート基や保護基に、更に好適な極端紫外光の吸収係数を得るために、末端を化学処理した単糖類グルコース誘導体と混合し、糖鎖化合物の酸素とフッ素の原子濃度の調整を行った。目的である水現像による微細加工特性と要素との関係を評価するため、糖の分子構造・分子量・架橋反応基濃度・水酸基濃度等の異なる複数のレジスト材料を準備できた。 合成したレジスト材料とレジスト下層膜を、スピンコート法により所定の膜厚に成膜した。水溶性、水現像性、及び電子線照射による膜収縮性が糖鎖化合物の化学構造にどのように関係するか一部の結果を解析すると同時に、水溶性極端紫外光用レジスト材料の微細加工のプロセス条件の最適化を行った。 得られた研究成果を学術論文1報、国際会議2件、及び講演会2件にて公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
デンプンから酵素分解・抽出・精製・高分子側鎖の誘導化し、アルカリ現像液を使用しない水溶性環境配慮型極端紫外光レジスト材料は、水溶性、水現像性、架橋性、及び高コントラスト化を達成でき、当初の初期目的を達成した。糖誘導体の設計要素(糖の分子構造・分子量・架橋反応基濃度・水酸基濃度等)とプロセス要素(電子線照射量・焼成温度・現像時間・現像温度)を最適化することにより、精細な加工ができる初期結果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の結果に基づき、主に原料合成と基礎物性について検討を行うと共に、その詳細な解析と極端紫外光による微細加工評価を行う。架橋密度に対するレジスト加工形状・解像性・加工精度・リワーク性の依存性に主眼を置き、グルコース骨格を主原料に用いたレジスト材料の極端紫外光による糖鎖化合物を、10nmオーダーのパターン加工性における適用可能性を明らかにする。 目的の10nmオーダーのパターン加工性が得られない場合には、電子線又は液浸ArF露光(波長193nm)により他の最先端電子デバイス製造への適用が期待される材料設計や加工条件で望ましい水溶性レジスト材料の設計指針と加工プロセスについて研究を継続する。
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