理論からハーフメタルと予測されているスピネル型酸化物材料マグネタイト(Fe3O4)を電極に使用し,同じスピネル型構造を有する遷移金属酸化物を障壁層とした室温ハーフメタル強磁性トンネル接合の創製に向け,その要素技術の確立を行った.まず、MgO基板の熱処理により極めて平坦な下地の作製に成功した。次に障壁層の選定を行い、当初計画していたCoCr2O4は不適格であることが判明したものの、MgTi2O4が表面平坦性および結晶性の観点から障壁材料として非常に優れていることが分かった。さらに電極層のFe3O4および磁化ピンニング層CoFe2O4を酸素流量の制御のみにより高精度に作り分ける手法を確立した。
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