社会に役立つ材料を作る際に重要なことは、物質の基本的な性質を知ることである。物質は原子でできているため、物質の性質を知るには原子スケールで研究することが重要である。その中でも特に重要な要素は物質の骨組みとなる格子と外界と接する電子である。この両者の協調によって超伝導や電荷密度波などの興味深い現象が起こる。 我々は原子間力顕微鏡と操作トンネル顕微鏡を同時に用いて、その両者を同時に観測する研究を行った。その結果、電荷密度波の力学的特性を明らかにし、ひとつの分子の骨格と電子分布を室温で同時に観測することに成功した。さらに原子数個で一ビットをあらわし、それを電流と力の両方で駆動する新しい原理を提唱した。
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