本研究課題では、光電流によるスピン注入磁化反転の実現において欠かせない3つの要素技術の開発に取り組んだ。まず、GaAs(110)基板上にFeTb垂直磁化膜を作製する条件を検討し、主に成長レートを上昇させることで垂直方向の残留磁化109 emu/cm3を持つFeTb薄膜の作製に成功した。次に、Fe/AlOx電極を用いて、GaAs(110)基板上QWに、室温、高電流密度において9.3%のスピン注入に成功し、強磁性体―半導体間のスピン伝導を可能とした。さらに、時間分解顕微PL法を用いて、スピン光素子の活性領域における電子スピン拡散定数の同定方法を開発した。
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