炭化ケイ素(SiC)は、その優れた物性から耐放射線性デバイスとしての応用が期待されており、そのためには、SiCデバイスのイオン照射効果を明らかにする必要がある。本研究では、SiCデバイスのイオン誘起破壊メカニズムの解明に向け、n型六方晶(4H)SiC-SBDのエピタキシャル層厚とSBD内でのイオンの飛程の関係に注目し、イオン誘起電荷量測定と数値計算を行った。その結果、予想通りイオン飛程がエピタキシャル層厚と同等の場合に、イオン誘起電荷のインパクトイオン化が促進されることを明らかにし、イオン誘起破壊現象のメカニズムの一端を解明することに成功した。
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