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2013 年度 実施状況報告書

高放射線場における放射性エアロゾルの生成起源とそのメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25790081
研究種目

若手研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

関本 俊  京都大学, 原子炉実験所, 助教 (10420407)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード放射性エアロゾル / 非放射性エアロゾル / フェルミラボ / パーティクルカウンタ / 120 GeV
研究概要

超高エネルギー加速器ターゲット室内において、放射性エアロゾルが成長する際の最も支配的な過程を明らかにするため、本研究課題の予備実験の際の放射性エアロゾルの採取場所であったフェルミラボのAP0(反陽子ターゲットステーション)において、非放射性エアロゾルの粒径分布に関する情報を得ることを試みた。
AP0において、パーティクルカウンタを用いて非放射性エアロゾルの採取を行ったところ(室内のエアロゾルを<0.3μm, 0.3-0.5μm, 0.5-1μm, 1-2μm, 2-5μm, >5μmの6種類の粒径に分級するパーティクルカウンタを用いた)、ほとんどの(>95%)非放射性エアロゾルの粒径が<0.3μmであることが分かった。
上記の結果、AP0において、非放射性エアロゾルの量が放射性エアロゾルの量よりも圧倒的に多いこと、また非放射性エアロゾルの粒径はほぼ均一であることを確認した。このような環境下であれば、生成した放射性エアロゾルが核となり、周りの非放射性エアロゾルと衝突しそれらを取り込むことにより、粒径が大きい放射性エアロゾルに成長する過程が支配的になると考えられる。加速器ターゲット室内で上記の過程が支配的であれば、予備実験における、「半減期の短い核種の放射性エアロゾルの粒径が小さく、半減期の長い核種の放射性エアロゾルの粒径が大きくなる」という結果が説明される。
また休止したAP0とは別の120 GeV 陽子ビームライン(M01)を用いて、新たに放射性エアロゾルの分析を行った。H25年度は、金、ニッケルの純金属のターゲットに個別に120 GeV の陽子ビームを照射し、ターゲット周辺に生成する放射性エアロゾルのサンプリングを試みたが、予備実験で得られたような多くの放射性核種に関する粒径分布の情報は得られなかったため、現在エアロゾルの採取方法を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

以下の観点から、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断する。
・AP0(反陽子ターゲットステーション)において、非放射性エアロゾルの粒径分布に関する情報を得ることができ、予備実験での課題の一つであった、「超高エネルギー加速器ターゲット室内において生成した放射性エアロゾルの起源及び生成・挙動機構」について新たな知見を得られた点。
・H26年度の実験に向け、これまで放射性エアロゾルのサンプリングの経験が無い120 GeV の陽子ビーム照射場において予備実験を試み、放射性エアロゾルのサンプリング方法について課題を得たこと。

今後の研究の推進方策

金属ターゲットに120 GeV の陽子が照射され生成される放射性エアロゾルの起源は、各金属ターゲットからの反跳(リコイル)成分であると考えられる。本研究課題における、「生成した放射性エアロゾルの起源及び生成・挙動機構」関してより詳細な知見を得るため、H26年度においては、各金属ターゲットに120 GeV の陽子を照射し、リコイル成分としての放射性核種を測定することも試みる。

次年度の研究費の使用計画

H25年度のフェルミラボでの実験は別経費(産学連携)で遂行されたため、それにかかる予定であった旅費及び物品費は、H26年度の助成金として使用する予定である。
本年度は、フェルミラボでの実験を2回、国際会議での発表及び情報収集を1回ずつ予定しており、それらについて当該助成金を使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Accurate Determination of Chlorine, Bromine, and Iodine in2013

    • 著者名/発表者名
      関本俊、海老原充
    • 雑誌名

      Analytical Chemistry

      巻: 85 ページ: 6336-6341

    • DOI

      dx.doi.org/10.1021/ac400637d

    • 査読あり
  • [学会発表] Measurements of cross sections for production of light nuclides by 120 GeV and 400 MeV proton bombardment of Y2014

    • 著者名/発表者名
      関本俊、奥村慎太郎、大槻勤ら28名
    • 学会等名
      13th Accelerator Mass Spectrometry (AMS-13)
    • 発表場所
      Aix en Provence
    • 年月日
      20140824-20140829
  • [学会発表] Basic Examination of a Mo-99/Tc-99m Production System Using an Electron Linear Accelerator2014

    • 著者名/発表者名
      関本俊、大槻勤
    • 学会等名
      8th International Conference on Isotopes and Expo (8ICI)
    • 発表場所
      Chicago
    • 年月日
      20140824-20140828
  • [学会発表] Trace Amounts of Halogens (Cl, Br, I) in 16 U.S.Geological Survey Geochemical Reference Materials2014

    • 著者名/発表者名
      関本俊、海老原充
    • 学会等名
      Goldschmidt国際会議 2014
    • 発表場所
      Sacramento
    • 年月日
      20140608-20140613
  • [学会発表] Radiochemical neutron activation analysis of halogens (Cl, Br and I) in geological and cosmochemical samples2013

    • 著者名/発表者名
      海老原充、関本俊
    • 学会等名
      5th Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry
    • 発表場所
      金沢市
    • 年月日
      20130922-20130927
  • [学会発表] Neutron Activation Analysis of JCFA-1, JCu-1 and JZn-12013

    • 著者名/発表者名
      関本俊、布村優太、奥村良、白井直樹
    • 学会等名
      5th Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry
    • 発表場所
      金沢市
    • 年月日
      20130922-20130927

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公開日: 2015-05-28  

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