研究課題/領域番号 |
25790086
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
林田 洋寿 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究員 (50444477)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 中性子スピン干渉 / 磁気イメージング |
研究概要 |
磁性体は広く応用されているが、磁性体内部の磁区構造研究は産学問わず重要な課題である。しかしながら従来の手法はいずれも磁性体表面近傍の磁区観察のみで、磁性体内部の磁区を直接観測する手法は皆無であった。これに対し、偏極中性子を用いた中性子磁気イメージング法は、磁性体内部の磁区を直接観測できる手法として注目を浴びているが、空間分解能に難があり、ミリオーダーの空間分解能に留まっている。本研究では申請者がこれまで開発してきた中性子スピン位相コントラスト法に、多層膜スピン分波ミラーを導入することで一気に空間分解能をミクロンオーダーまで向上させ、新たな磁区観察法の確立を目的とし、磁区構造研究の促進を図る。 平成25年度は多層膜スピン分波ミラーを作成し、スピン位相コントラスト法に導入して本研究における提案を実証することを目的とした。しかしながら、実験を予定していた日本原子力研究開発機構、JRR-3が長期シャットダウンから再稼働できず、さらに予備として検討していたJ-PARCおよびフランスILLもシャットダウンしたことにより、実証実験の実施ができなかった。多層膜スピン分波ミラーは、中性子波長域において膜厚の設計が異なるため候補として考えられるビームポートそれぞれに対して設計し、平成26年度に実証実験を行う準備を整えた。また、多層膜分波ミラー制御用自動ステージの準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
JRR-3の再稼働が遅れ、さらに予備として検討していたJ-PARCとILLもシャットダウンとなり、平成25年度に予定していた中性子を用いた実証実験が実施できていない。本研究で使用する多層膜分波ミラーの設計、および制御システムを実施した。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度に実施予定であった、中性子スピンコントラスト法に多層膜分波ミラーを導入した実証実験を実施する。十分なマシンタイム確保を試み、その後の電磁鋼板を試料とした応用実験も実施したい。 実証実験実施の第一候補として検討していたJRR-3の再稼働は見込めない状況であるので、J-PARCで実施する方向で検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
多層膜スピン分波ミラー作成のための材料を、京都大学実験所との共同研究による研究費で作成できたため。 試料購入費や実験環境整備費として使用する。
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