渋滞解消のキーワードは「slow-in fast-out」である.渋滞列にゆっくりと近づき,渋滞列から素早く抜け出すアクションを行うことで,渋滞を短くすることができる.本研究では,確率セルオートマトンを数理モデルの基盤モデルとし,従来の待ち行列理論では考慮されてこなかった渋滞列内部の空間構造(排除体積効果)を陽に組み込むことで,渋滞列から抜け出す際の反応の連鎖の波(発進波)の特徴を明らかにした.具体的には,発進波の伝播速度は密度のべき関数で特徴づけることができ,伝播速度が遅い場合には,ある最適な車間距離を保った状態から動き出す方が渋滞列がスムーズに解消されることがわかった.
|