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2016 年度 実績報告書

数論的D加群とラングランズ対応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25800004
研究機関東京大学

研究代表者

阿部 知行  東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 准教授 (70609289)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードp進コホモロジー / 関数体のラングランズ対応
研究実績の概要

今年度は前年度の続きとして高次元の場合のl進やp進の同志の存在に関する研究を行い,l進同志の存在に関する結果をH. Esnault氏との共同研究で示した.
Xを標数pの有限体上の滑らかな代数多様体としてlをpとは異なる素数とする.FをX上の滑らかなl進層とする.p, lとは別の素数l'を固定したとき,Fと各閉点でのフロベニウス固有値が一致するようなl'進層F'のことをFのl'同志といい,Deligneはl'同志の存在を予想した.l'同志の存在はDeligneとLafforgueの結果を下敷きにDrinfeldが証明した.
さて,X上の過収束FアイソクリスタルEを与えたとき同様にEのl進同志という概念も定義することが出来る.本年度の結果は過収束Fアイソクリスタルに対するl進同志の存在である.
証明の核になっているのはレフシェッツ型の定理である.つまり,Eが既約だった場合,X上の曲線CでEをCに制限しても既約となるものの存在である.l進層に関しても同様のことが成立することが知られているが,これはl進層がXの基本群の表現であることを本質的に使うため,過収束Fアイソクリスタルに対して同様の議論を適用することが出来ない.今回の証明では類体論を使うことで既約性の議論を0次のコホモロジー群の計算に帰着させ,コホモロジーのアファイン・レフシェッツ定理に帰着させる.特に,基礎体が有限体であることが本質的である.一般的にレフシェッツ型の定理はより緩い条件のものとでも成立することが期待されており,それに関しては今後の課題になる.
さて,Deligneのオリジナルの問題はl進層に対して同志となっているような過収束Fアイソクリスタルを構成するものである.これに関してはアイソクリスタルの基本群の研究が進んでいないことに起因し,未解決であり,今後の課題になる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [国際共同研究] ベルリン自由大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ベルリン自由大学
  • [学会発表] Arithmetic D-modules and existence of crystalline companion2017

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Abe
    • 学会等名
      Geometrie analytique et equations differentielles p-adiques
    • 発表場所
      CIRM (Luminy, France)
    • 年月日
      2017-03-29
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] p進コホモロジーとラングランズ対応2017

    • 著者名/発表者名
      阿部知行
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      首都大学東京(東京都八王子市)
    • 年月日
      2017-03-25
    • 招待講演
  • [学会発表] 接続付きベクトル束のイプシロン因子と局所化公式2016

    • 著者名/発表者名
      阿部知行
    • 学会等名
      p進コホモロジーと数論幾何
    • 発表場所
      東京電機大学(東京都足立区)
    • 年月日
      2016-07-28
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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