研究概要 |
本年度の11月5日から11月8日までの4日間、カブリ数物連携宇宙研究機構所属のジーゲル氏による連続講演「マドセンワイスの定理のミニコース」を開催した。氏は代数曲線論の専門であって位相幾何の専門ではないが、実際にその定理の証明にかかわったガラティアス氏の講演をもとにしたもので、証明の概略を追うことが可能となるものであった。 以降、二人の協力者を得て3人で共同研究を行っている。本年度は、主に、糊付け写像と呼ばれる位相幾何における写像の代数幾何における類似の構成に費やされた。参考にしたのは、モチーフ的(代数幾何的)な管状近傍を定義したレビーンの論文における糊付け写像の構成である。(参考文献:Levine, Marc "Motivic tubular neighborhoods" Doc. Math., J. DMV 12, 71-146 (2007)) 情報収集のため、Winter School and Workshop "Higher Structures in Algebraic Analysis" (パドヴァ、イタリア)に2014年2月10日から21日まで参加した。無限圏をテーマとする集会であったので、本研究のテーマと直接の関係をみるのは難しいが、協力者の研究テーマに近く、共同研究をスムーズに行うために必要な知識となる。また、日本国内ではまだあまり盛んでないテーマであり、海外へ行く必要があった。
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