研究課題/領域番号 |
25800022
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中岡 宏行 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (90568677)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ホモロジー代数 / Mackey関手 / biset関手 / 丹原関手 / Burnside環 / アーベル圏 / 三角圏 |
研究概要 |
論文"A Mackey-functor theoretic interpretation of biset functors"を作成した。2013年11月、arXivにプレプリントとして投稿済み。現在、論文誌に投稿予定。当論文では、biset関手のさらなる理論的枠組みの構築の一環として、Mackey関手との類似を追うことで、biset関手のDress流の定義を与えた。この結果は、研究計画の「丹原biset関手の定式化」のためには欠かせない結果である。 論文"The spectrum of the Burnside Tambara functor on a finite cyclic p-group"がJournal of Algebraに掲載された。当論文では、群が特殊な場合にBurnside丹原関手の素スペクトラムの計算に成功しており、また、Burnside環のスペクトラムの構造(Dressによる)との関わりについても述べている。Burnside環のスペクトラムはFeit-Thompsonの定理との関わりも持つ重要な対象であるため、この関わりが示されたことにより、丹原関手のスペクトラムのもつ意義も見えてくるものと思われる。 論文"Biset transformations of Tambara functors"がJournal of Algebraに掲載された。当論文では、Mackey関手に対してSerge Bouc教授により行われていたbiset変形を、丹原関手に対して実現したものである。この結果は、丹原関手の概念がbisetとある程度の相性の良さを持つことを意味する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「丹原biset関手の定式化」については、研究実績の概要にも述べた"A Mackey-functor theoretic interpretation of biset functors"の作成により、進展が期待される。現在はPicardie Jules Verne大学のLAMFAに滞在し、Serge Bouc教授の指導のもと、丹原biset関手の定式化に向けて取り組んでいる。一方で、三角圏上のホモロジカルな代数構造の発見については、三角圏上の様々な現象を観察しつつ、徐々に進んでいる状態である。
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今後の研究の推進方策 |
「丹原biset関手の定式化」については、biset関手のDress流定義を基盤として、「Green関手のDress流定義」→「丹原biset関手の定式化」という方針で研究を進めたい。この第一段階である「Green関手のDress流定義」については、Dress流定義に基づくテンソル積構造の導入に既に成功しているので、近いうちに実現できると期待される。三角圏上のホモロジカルな代数構造については、Rickardの定理などを詳しく調べながら進めていきたい。
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