研究実績の概要 |
平成26年度の主な成果は以下の通りである. j次元球面からn次元球面への埋め込み,あるいは対応する次元のlong embedding全体のなす空間K(n,j)を考える.Haefliger, Milgram らにより,Kの弧状連結成分の集合の決定,すなわち埋め込みのイソトピーによる分類は,n-jが3以上のときには,(n-j)次元球面の自己ホモトピー同値のなす位相群G(n-j), 懸垂によるG(n-j)の安定化Gと,それらの部分群である直交群との(相対)ホモトピー群の計算に帰着されている.同じ次元の条件の下でこの結果を拡張したのが主な実績である.すなわち,上記の球面の自己ホモトピー同値のなす位相群たちがなす図式のホモトピーファイバーを取って得られる空間T(n,j)のj回ループ空間のホモトピー群が,K(n,j)のホモトピー群と(2n-2j-5)次以下において同型であることが示せた.0次ホモトピー群に注目すれば,上記の Haefliger や Milgram の結果を復元する.また,埋め込みのconcordanceに対応する"block category"と呼ばれる単体的集合において対応する空間を考えれば、K(n,j)からT(n,j)のループ空間への写像が存在することも示せた. 証明には,スピニング写像によるK(n,j)の低次ホモトピー群の記述と、研究代表者が以前に示した,埋め込みの空間の多重ループ空間の構造を援用する.
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