ワイエルストラス型表現公式をもつ曲面の大域的性質と特異点に関する研究を行った。具体的には以下の5つの研究を行った。 江尻典雄氏、庄田敏宏氏との共同研究で、3次元Euclid空間の3重周期的極小曲面のモデュライ空間とその極限に関する研究を行った。特にKarcherの変形版サドルタワーと呼ばれる曲面の共役曲面に収束する3重周期的極小曲面の2径数族の存在を証明した。 川上裕氏、國分雅敏氏、Wayne Rossman氏、梅原雅顕氏、山田光太郎氏との共同研究で、3次元Lorentz-Minkowski空間の平均曲率0曲面に関する研究を行った。特に小林曲面と呼ばれる全平面で定義されたグラフ平均曲率0曲面を含む曲面の族を構成した。 川上裕氏、國分雅敏氏、Wayne Rossman氏、梅原雅顕氏、山田光太郎氏、Seong-Deog Yang氏との共同研究で、3次元de Sitter空間の空間的平均曲率1曲面とその解析的延長に関する研究を行った。特に双曲型エンドと呼ばれる曲面の無限遠方における振る舞いを解析した。本研究は現在も継続中である。 國分雅敏氏、Udo Hertrich-Jeromin氏、梅原雅顕氏、山田光太郎氏との共同研究で、2次曲面とそのChristoffel変換に関する研究を行った。3次元Euclid空間において楕円面とScherkの極小曲面と呼ばれる曲面の対応は知られているが、一葉双曲面や二葉双曲面を3次元Lorentz-Minkowski空間の曲面とみなすことで、それらのChristoffel変換が平均曲率0曲面のアファイン変換となることを証明した。 Samah Gaber Mohamed氏、Mason Pember氏との共同研究で、3次元Lorentz-Minkowski空間の空間的極大曲面と3次元de Sitter空間の空間的平均曲率1曲面に関する研究を行った。周期条件が非退化である空間的極大曲面から平均曲率1曲面を構成する方法を開発した。
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