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2013 年度 実施状況報告書

ランダムウォークの軌跡の構造について

研究課題

研究課題/領域番号 25800064
研究種目

若手研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

白石 大典  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00647323)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードランダムウォーク / 非マルコフ過程 / Loop-erased random walk
研究概要

3次元loop-erased random walk(以下LERW)の研究を推し進めることが本研究の主たる目的である。3次元LERWはいまだ不明な部分が数多く残されている。その原因としては高次元の場合のようにシンプルランダムウォークのパスのループが少ないわけではないということと、2次元の場合のようにconformal field theoryが使えないという点にある。このモデルは1980年にLawlerによって提起されたのであるが、元々は通常のself-avoiding walkの解析可能な代案として導入された。しかしながら徐々にSAWとLERWは異なるuniversality classに属することが分かってきている。それでもなおLERWへの関心が持たれ続けるのは、uniform spanning treeといった統計物理に起源を持つモデルと深い関係があるからである。またLERWは非マルコフ過程の中で解析が行える数少ないモデルのうちのひとつである。LERWの解析を進めていくことは確率論の発展にとって重要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

3次元LERWに関して残されていた大きな問題として、その増大指数の存在問題があった。この問題はLERWの長さを解析する上で極めて重要なものとなるのであるが、1980年にGregory Lawlerが提起して以来、30年以上未解決のままであった。この未解決問題を本研究により解決した。その結果が与えるインパクトは非常に大きい。

今後の研究の推進方策

これまでの研究によってLERWの長さに関してはある程度の進展を与えることができた。今後はそのスケール極限の理解を深める方向で研究していきたいと考えている。具体的にはLERWのスケール極限はブラウン運動のパスのdeterministic functionで表わせるかという問題に取り組む予定である。ブラウン運動に対するloop-erasing procedureを考察するこの問題はOded Schrammにより問題提起されたのであるがいまだに解決していない問題として残っている。

次年度の研究費の使用計画

本年度は出張、書物購入等で出費がかさむと考えられるため、助成金が生じた。
確率論に関する書物を購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Growth exponent for loop-erased random walk in three dimensions2013

    • 著者名/発表者名
      白石大典
    • 学会等名
      確率論シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      20131218-20131218
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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