本研究では主に次の2つのテーマを中心として研究を行った。(1)有理関数近似を用いた線形微分方程式の変換の構成とその応用 (2)大久保型微分方程式のモノドロミ保存変形と平坦構造 (1)は主に津田照久氏との共同研究であり、エルミート・パデ近似を用いて線形微分方程式のシュレジンガー変換を構成し、モノドロミ保存変形の解についての行列式構造を得た。(2)は主に加藤満生氏・関口次郎氏との共同研究であり、大久保型方程式のモノドロミ保存変形と平坦構造との関係を明らかにし、応用として複素鏡映群の軌道空間上の平坦構造やパンルヴェ方程式の解のポテンシャルベクトル場による表示などの結果を得た。
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