研究課題
本年度は,研究課題「周期的シュレディンガー作用素のスペクトラルギャップの解析」の最終年度に当たる。なお,本研究課題は当初4年間の申請期間であったが,本研究課題で得られた成果の講演時期の都合上1年間延長をする必要性が生じ,平成29年度は5年間の研究期間としての最終年度に当たることになった。そのため,本年度の当該研究課題は,平成28年度に講演依頼を受けた招待講演を遂行し,5年間の研究課題としての取りまとめを行うことが主な目的であった。年度初めの予定通り,2017年6月17日~2017年6月25日の期間でドイツ・フランクフルトから電車で2時間ほど移動した場所にある Oberwolfach 数学研究所に滞在し,開催された研究集会「Nonlinear PDE on Graphs」の初日に,依頼を受けた招待講演を行った。講演タイトルは「Spectral analysis of periodic Schroedinger operators on a broken carbon nanotube」で,周期的に破損したカーボンナノチューブ上の周期的シュレディンガー作用素のスペクトル構造について述べたものである。本研究集会は,日本からは東北大学の福泉麗佳先生,国外からは J. Marzuola先生, D. Pelinovsky先生, G. Schneider 先生によって主催されたものである。線形分野からは新國の他ヨーロッパ数学会会長の P. Exner先生や,グラフを問わず周期的シュレディンガー作用素の代表的研究者である E. Korotyaev 先生らが講演を行った他,非線形分野から多くの数学者が,グラフ上の非線形シュレディンガー方程式に関する成果を講演され,大変刺激を受ける研究集会となって幕を閉じた。本研究課題は本年度で終了となるが,継続課題として得られた経験を活かしたいと考えている。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
Proceedings of the Indian Academy of Sciences-Mathematical Science
巻: 127, No.3 ページ: 471--516
0.1007/s12044-017-0342-7