本研究では,量子力学の基礎方程式であるシュレディンガー方程式に関連するスペクトル理論についての研究を行った。本研究で得られた成果の大部分は,カーボンナノチューブと呼ばれる炭素分子に関連する,円筒状の六角格子上に定義された周期的シュレディンガー作用素に対するスペクトルの結果である。本研究では,作用素をグラフ上の自己共役微分作用素として定義をし,量子グラフの観点からそのスペクトルを解析した。周期的に破損したカーボンナノチューブ上の周期的シュレディンガー作用素のスペクトルについての研究を代表とし,研究実施期間中に6編の本文を出版し成果発表を行った。
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