1970年代にGoppaが代数幾何符号を発見した.有限体上において多数の有理点を持つ代数曲線から,効率良い線形符号を構成できることを明らかにした.代数曲線論は数学において古くからある研究分野である.近年暗号理論でも代数曲線が応用されるようになった.しかし有限体上の代数曲線について未知の部分が多く残されている.符号理論の視点に立つと,最適曲線は代数幾何符号構成に最も有効である.最大曲線について既に多くの研究成果が出ている.けれども最大曲線でない最適曲線の性質は五里霧中である.本研究の最大の成果は,最大曲線でない代数曲線の中からSerre上界に達するものを発見したことである.
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