研究課題
本研究は、超新星爆発の、その爆発の瞬間であるショック・ブレイクアウト現象を可視光で初めて捉えることにより、宇宙の主要構成要素である星の最終進化段階の姿、および超新星爆発のメカニズムの解明を目的とする。その手段として、2つの広視野望遠鏡であるすばる8.2m望遠鏡および木曽1mシュミット望遠鏡を用い、本目的に特化した観測の効率化を実現し、大規模サーベイ観測を行う。木曽シュミット望遠鏡の超広視野カメラKWFCの機器整備を完了し、安定した遠隔・自動観測に成功した。データ解析・候補天体確認システムの整備も完了し、候補天体即時発見、即時追観測のシステムが完成した。平成24年度より行っている探査KISSを平成27年9月まで継続し、上記遠隔・自動観測により科学的発見に至るまでの効率化が進んだ。1年あたり約100晩の観測を行い、探査観測論文、珍しいブラックホールの突発現象の発見に関する査読論文2本を出版し、同天体の継続的なモニター観測、早期発見に成功した超新星等計4件の査読論文を現在出版準備中である。すばる望遠鏡の新広視野カメラHSCでは、5年間で300晩の大規模な戦略枠観測(2014年3月開始、一部完了)及び共同利用観測を行った。上記KWFC用データ解析システムをHSC用へ修正した専用PCを設置し、主に共同利用観測データ(計6晩)の解析を行い、4件の速報を行った。さらに、すばる望遠鏡、Gemini 8.2m望遠鏡を用いて分光追観測(計5晩)を行い、爆発直後と考えられる超新星を5天体発見し、1本の査読論文を出版した。これらは星周構造外縁部もしくは厚い星風におけるショック・ブレイクアウトと解釈され、今後、より詳細な光度曲線およびスペクトルの取得、統計サンプルの構築が必要となる。また、副産物として、太陽質量の300万倍という小さな活動的ブラックホールの同定にも成功し、査読論文として出版した。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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