研究課題/領域番号 |
25800107
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
眞山 聡 総合研究大学院大学, 学内共同利用施設等, 講師 (20553267)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 赤外線天文学 / 星惑星形成 |
研究概要 |
天体の多くは形成時、連星系として生まれる。従って星やその周りで生まれる惑星形成の普遍的なパラダイムを構築するためには、連星系における惑星形成過程を解明することが避けて通れない。しかしながら、連星系における星・惑星形成は単独星に比べてまだよく分かっていない。また、若い天体に付随する原始惑星系円盤は惑星系形成の現場であり、その詳細観測によって惑星が円盤上のどの場所でどのように形成されるのかを明らかにすることが出来る。そこで本研究では、連星における惑星形成過程の解明を将来目標とし、まず若い連星に付随する原始惑星系円盤の高分解能イメージング観測を行う。 本年度は、すばる望遠鏡で取得された、連星系の原始惑星系円盤の赤外線観測データの解析、共同研究者との議論、論文の執筆を中心に行った。議論のため、共同研究者の在籍する国立天文台への出張が数多くあった。本観測の際の天候状態はあまり良いとは言えなかったが、取得されたデータは本天体に関する赤外線偏光イメージングデータの中で、最も高い分解能のデータとなっている。解析の結果、過去の赤外線観測論文では議論されてこなかった、中心星のより近傍100AU以内の領域にも複雑な星周構造があることが明らかになった。SMA(Submillimeter Array)のデータと比較したところ、内部構造スケールが一致していることが分かったため、今後SMAデータとの比較しながら、本構造の詳細な分析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、すばる望遠鏡で取得された、連星系の原始惑星系円盤の赤外線観測データの解析、共同研究者との議論、論文の執筆を中心に行った。また、近赤外線偏光撮像データが膨大に蓄積してきたため、それらの整理を行うと共に、膨大なデータを効率的に解析・分析するスクリプトを開発した。また、議論のため、共同研究者の在籍する国立天文台への出張が数多くあった。本観測の際の天候状態はあまり良いとは言えなかったが、取得されたデータは本天体に関する赤外線偏光イメージングデータの中で、最も高い分解能のデータとなっている。解析の結果、過去の赤外線観測論文では議論されてこなかった、中心星のより近傍100AU以内の領域にも複雑な星周構造があることが明らかになった。SMA(Submillimeter Array)のデータと比較したところ、内部構造スケールが一致していることが分かったため、今後SMAデータとの比較しながら、本構造の詳細な分析を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に解析した天体についての議論を強固なものにするため、理論研究者と議論しながらコンピュータシミュレーションを行い理論的検証を行う。また、今後も近赤外線偏光撮像データが膨大に蓄積されることが予定されるため、引き続きそれらの整理を行うと共に、データ解析用のスクリプトを開発する予定である。また、もう一つの天体に関しても、データ解析を進める。次年度は最終年度であるため、論文の執筆を行い、国内及び国際学会での発表を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度は外国での学会参加予定を取りやめ、次年度に参加することにしたため。 二年度目計画で費用の大きいものとして、国際学会「Towards Other Earths II. The Star-Planet Connection」への参加を予定している。また、共同研究者との研究打ち合わせのため、イギリスとロシアへの出張を予定している。
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