銀河形成の標準モデルでは、銀河衝突や合体の繰り返しにより円盤銀河は成長していくとされるが、このプロセスは観測的には証明されていない。本課題では、ALMA望遠鏡を用いた衝突銀河の分子ガス観測から、円盤銀河の形成過程を調べることを目的とする。 観測の結果、37個の銀河のうち30天体で分子ガスからの放射が検出された。そして、30天体のうち実に8割に相当する24天体では、分子ガスが円盤状に分布していることがわかった。中には、天の川銀河の円盤に匹敵する大きさのガス円盤を持つ銀河も発見された。今回の研究で、少なくとも近傍の宇宙では銀河衝突によって分子ガス円盤が作られる可能性があるということが明らかになった。
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