研究課題
本研究の目的は、赤方偏移1.5-2.5にある星形成銀河からのHα輝線に合わせた独自の狭帯域フィルターを製作し、すばる望遠鏡に搭載された近赤外線観測装置(IRCS)に搭載することで、補償光学(AO188)を用いた近赤外線撮像観測を行い、ハッブル宇宙望遠鏡を凌ぐ高解像度で星形成銀河内部の星形成活動、恒星種族分布の精密なマッピングをすることにより、銀河進化過程の解明において、未解決の問題の一つである質量集積過程を明らかにすることである。平成27年度は、前年度に引き続き、すばる望遠鏡の共同利用観測に応募し、IRCS+AO188を用いた狭帯域撮像による赤方偏移2程度の星形成銀河からのHα輝線の観測を行った。これまで取得したデータの解析を行い、本研究で取得したデータを用いて、赤方偏移2の銀河の内部構造を約0.2秒角(1.5kpcに相当)の解像度で空間分解し、銀河内部の恒星種族の年齢分布、星形成率の分布が得られる事を確認した。また、平成27年度は、これまでの観測で得たサンプルに加えて、さらにHα輝線での星形成銀河の観測サンプルを増やすべく、IRCS用の新たな狭帯域フィルター(NB207)を製作した。新フィルターは、平成28年度前半にIRCSにインストールされ、平成28年度の後半からの観測で使用できる予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件)
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