本研究の目的は、約100億年前(赤方偏移 z~2)の遠方銀河を、高解像度で観測する事により、その内部における星形成領域の高精度なマッピングを行い、銀河進化過程の解明において、未解決の問題の一つである質量集積過程を明らかにする事である。この目的のために、我々はz~2の銀河からのHα輝線の波長に合わせた狭帯域フィルターを製作し、すばる望遠鏡の補償光学システム、及び近赤外線撮像装置を用いて観測を行った。その結果、z~2の銀河の星形成領域を約0.2秒角の解像度で空間分解し、銀河内部の恒星種族の年齢分布、星形成活動の分布が得られ、銀河の中心部より外側のクランプで星形成が活発である様子が明らかになった。
|