本研究では、宇宙核物理・原子核クラスター両方の分野にまたがるテーマを不安定核(RI)ビームを用いて研究するという、世界でも例が皆無な先駆的な実験的研究を行った。具体的には、宇宙における天体核反応とα粒子クラスターの両面の興味から、15O+α(19Ne原子核)と10Be+α(14C原子核)の2つの系に関する共鳴状態の測定を行った。両実験において多数の共鳴を観測し、特に後者において興味深い直鎖状態の兆しを発見した。実験の成功によって、「RI・クラスター宇宙核物理」という新分野研究の一歩を踏み出すことができた。
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