研究課題
フェルミ国立加速器研究所 (FNAL) の加速器施設 (Main Injector) から SeaQuest 実験へ平成26年11月~平成27年6月および平成27年10月~平成28年7月 (予定) に陽子ビームが供給され、SeaQuest 実験は物理データを収集した。平成27年6月までに収集したデータ量は目標値の約1/4である。ビーム強度が大きい時にドレル-ヤン反応の検出効率が低下することを前年度に発見しており、本研究の目指す測定精度を達成するには、この検出効率のビーム強度依存性を理解する必要が有る。測定データとシミュレーションを用いて検出効率のビーム強度依存性を定量的に評価し、測定データに対する補正手法を開発した。また、荷電粒子 (ミューオン) の飛跡再構成のアルゴリズムなどを改良して、検出効率のビーム強度依存性を低減させた。陽子内における反クォーク分布のフレーバー非対称性 (d-bar/u-bar: 反ダウンクォークと反アップクォークの分布量の比) を測定データから抽出し、その preliminary な結果を平成28年4月に公開した。d-bar/u-bar の測定は SeaQuest 実験の第一の目的であり、その測定結果を得たことは重要な研究成果である。今後は収集中のデータも用いて高精度な結果を求めると共に、その解析手法を更に発展させて反クォーク分布量の絶対値を抽出する。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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