大きなフレーバー数を持つSU(3)ゲージ理論(QCD)は、(ウォーキング)テクニカラー模型と呼ばれる素粒子標準模型を超えた物理の一つの有力な候補と考えられている。その模型の非摂動的定式化である格子ゲージ理論を用いた第一原理計算を行い、そのハドロンスペクトラムの計算を行った。8, 12フレーバーQCDのフレーバー一重項スカラーの質量の計算結果から、有限フェルミオン質量領域では、擬スカラー中間子と同程度かそれよりも軽いことが明らかとなった。本研究結果は通常のQCDとは大きく異なるものであり、LHCで発見されたヒッグス粒子が複合スカラー粒子として存在できる可能性がある事を示唆する。
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