本研究は、固体検出器である超高分解能原子核乾板による方向感度を持った暗黒物質探索実験を目的にしたものである。 国際共同実験の体制の構築を行い、日本とイタリアに独自の解析システムを構築した。このシステムを用いて、疑似的な暗黒物質シグナルを低速イオン照射で作り出し、検出効率および角度分解能の定量的な評価を行った。同時に独自シミュレータによる性能の定量的理解を進めた。並行して、精密事象解析法をプラズモン共鳴を用いて行えることを実証した。さらに、デバイス内部の微量放射性同位体の測定によって、内部バックグラウンドの定量的推定を行った。これら一連の研究により、本研究における基盤技術を構築した。
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