研究課題
若手研究(B)
極低エネルギー入射核融合反応において、核融合断面積が標準的なチャネル結合計算の値から大きく減少する融合阻害現象の微視的機構を明らかにした。先行研究において、この融合阻害現象は、量子トンネル途中で、融合する二つの核が接近した時に、各々の量子振動励起がお互いの相互作用により減衰して、断熱状態へと緩やかに遷移するために起こる事を現象論的に示した。そこで本研究は乱雑位相近似法を二体系へと拡張して、二つの核がお互いに近づいた時の量子振動励起を微視的に計算して、その減衰機構の微視的起源を明らかにした。
原子核理論物理学