研究実績の概要 |
当該研究の目的は、希薄なAr, Xe, Kr等希ガス標的と低エネルギー中性子散乱を組み合わせて、1nm程度の領域で重力の逆2乗即を行うことである。当該年度では、希ガス標的を封入する標的ガス容器を作製した。標的容器入射窓には、前年度の研究結果により厚さ2mmのシリコン材を用いた。また、散乱した中性子が飛行するための真空散乱層を作製した。散乱した中性子が真空散乱層内壁に衝突するのを防ぐために、中性子吸収材を内壁に設置した。以上の装置を真空試験等を行った後に、茨城県東海村のJPARC/MLF/BL05ビームラインに設置した。また、3He位置敏感型検出器の動作確認を行った後に、同ビームラインに設置した。中性子ビームをコリメータにより十分細く絞り、位置校正用のデータを取得した。以上により、本実験開始のための準備が全て整った。諸手続き上、当該年度中に、希ガスを標的とする本実験の実験許可が間に合わなかったが、本実験装置により予備データを取得した。取得予備データの詳細な解析により、空気の全断面積を決定することができ、本実験装置が正しく機能していることが確認できた。本実験は、実験装置に軽微な変更を加えたのちに、2015年5月から開始する予定である。
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