研究課題/領域番号 |
25800163
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
花田 政範 京都大学, 白眉センター(基礎物理学研究所), 准教授 (40626735)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 量子重力 / ブラックホール / 超弦理論 / 場の理論 |
研究概要 |
本年度の大きな目標は、超対称ゲージ理論が超弦理論の量子重力の効果を正しく記述できる事を示すために、超対称ゲージ理論と超弦理論の解析手法を整備することであった。このうち、伊敷氏(京大基研)、百武氏(茨城大)、西村氏(高エネルギー加速器研究機構)と共同で取り組んだBanks-Fischler-Shenker-Susskind行列模型の研究で想定以上の進展があり、この理論が超弦理論の量子重力の効果を正しく記述できる事を強く示唆するシミュレーション結果を得ることが出来た。この結果は模型の提唱以降15年以上に渡って手つかずのまま残っていた重要な問題に答えるものであり、雑誌「Science」で発表した(年度内に掲載が決定したが、出版は平成26年度)。また、「Nature」のニュースでも取り上げられ、英米の一般メディアにも取り上げられたほか、「京」スーパーコンピューターを運営するHigh Performance Computing Infrastructureの広報誌でも取り上げられるなど、大きな反響を呼んだ。この他、ゲージ理論の新しいラージN極限(トフーフト結合定数ではなくゲージ結合定数を固定するような極限)で、ゲージ理論のインスタントン効果について精密な理解ができ、JHEPで発表した(掲載決定と出版は平成26年度)。この結果を量子色力学に置ける対称性の破れのメカニズムやM理論に応用する事が次の目標である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
伊敷氏(京大基研)、百武氏(茨城大)、西村氏(高エネルギー加速器研究機構)と共同で、Banks-Fischler-Shenker-Susskind行列模型が超弦理論の量子重力の効果を正しく記述できる事を強く示唆するシミュレーション結果を得ることが出来た。これは、本研究のゴールの一つである。この結果は模型の提唱以降15年以上に渡って手つかずのまま残っていた重要な問題に答えるものであり、雑誌「Science」で発表した(年度内に掲載が決定したが、出版は平成26年度)。また、「Nature」のニュースでも取り上げられ、英米の一般メディアにも取り上げられたほか、「京」スーパーコンピューターを運営するHigh Performance Computing Infrastructureの広報誌でも取り上げられるなど、大きな反響を呼んだ。この他、ゲージ理論の新しいラージN極限の研究でも進展があった。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように、Banks-Fischler-Shenker-Susskind行列模型の研究は順調に進んでいる。これを更に推し進め、M理論を表すと予想される極限を調べる。また、2次元以上の超対称ゲージ理論のシミュレーションも着実に推し進め、論文として発表したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
アイオワ大学に於ける研究発表およびスタンフォード大学でのサスキンド教授との共同研究のため、一月末から四月初めにかけて、年度末をまたぐ長期出張をした。この出張の旅費は終了後に平成26年度分として処理することとし、その分を「次年度使用」とした。 一月末から四月初めにかけての年度末をまたぐ長期出張の旅費として使用する。
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