ゲージ重力対応に基づいて超弦理論の量子重力的側面を研究した。特に、Banks-Fischler-Shenker-Susskind行列模型のラージN極限と連続極限を取ることに世界で初めて成功し、ゲージ重力対応を超弦理論の効果も含めて非常に高い精度で検証することに成功した。この結果は2016年度にPhysical Review Dで発表された。また、ゲージ理論の時間発展を調べ、ブラックホールの生成、蒸発をゲージ理論の立場から第一原理に基づいて説明できることを定性的にではあるが明らかにした。定量的な計算を可能にするため、ゲージ理論側の実時間シミュレーション手法を開拓することが今後の課題である。
2016年度には6本の論文が英文の専門学術誌から刊行されたほか、4本の論文が査読中である。また、国際研究会で5回の講演を行なった。
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