H25年度に取得した物理データの解析においてKLビームラインライン上の物質により背景事象が発生する可能性が指摘され物質量を低減させる重要性があることがわかり、H26年度に本科研費により開発、製作を行った物質量を低減させた真空仕切り膜およびビームパイプの取り付けを行い、本年度(H27年度)物理データの収集を行い、その効果について評価を行った。実際、ビームパイプ周りのVeto検出器の効果とあわせて、KLビームライン上の物質による背景事象の発生率は予想通り低減されることがわかり、その重要性が明らかとなった。 また、KLビームラインで最も設計が難しい部分の1つである、真空窓については、その候補材料について、有限要素法による強度計算、および放射線損傷のsimulationコードによる評価を行うと共に、候補材の1つについて実際に引張試験および寿命評価テストベンチの構築と動作テストを行い、実機製作時の試験内容についての条件を決定することができた。
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