本研究は、大きな期待が寄せられながら観測例の極めて少ない、天体のX線偏光観測の実現を最終目的とする。期間内の目標はNASAのXACTロケット実験をベースにNASAと我々が共同で開発してきたX線偏光計で「かに星雲」と「さそり座X-1」の天体観測を成功させることであった。しかし現在NASAのスケジュールは遅れ、残念ながら打ち上げはまだ行われずにいる。一方、我々は最終目標へ向け、X線偏光計の改良と評価実験を行い、偏光計の性能を向上させることに成功した。2014年12月、その結果を元にNASAと理研などが共同でアメリカの小型衛星計画 (SMEX) の公募へX線偏光観測専用の衛星を提案している。
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