量子スピン液体に代表される特異な量子磁気相の実現を目指し、カゴメ格子系を中心とする幾何学的フラストレート磁性体の新物質開拓を行った。その結果、新しいスピン1/2カゴメ格子反強磁性体エドワードサイトをはじめとして、スピン5/2カゴメ三角格子反強磁性体NaBa2Mn3F11やスピン3/2ブリージングパイロクロア格子反強磁性体LiGaCr4O8とLiInCr4O8などのフラストレート磁性体を開拓した。これらの磁性体に対して各種物性測定を行い、四量体一重項状態の形成によるスピンギャップ的な振る舞い、三重臨界点の近傍に位置する磁気転移、非整合な螺旋秩序に誘起される強誘電性といった特異な物性を見出した。
|