本研究ではTDO法を用いた非接触の表面インピーダンス測定装置を開発し,パルス強磁場・高圧力下における鉄系超伝導体Fe(Te,Se)単結晶(Tc ~ 14 K)の上部臨界磁場の評価を実施した。常圧下では超伝導転移に対応する明瞭な周波数変化が観測された。これは,これまでのパルス強磁場中電気抵抗測定に比べてかなり高感度な測定結果であった。一方,P=2.1 GPaの場合,磁場変化に対して大きなヒステリシスが観測された。これは,圧力保持に用いている金属ガスケット(SUS310製)からの渦電流によるジュール発熱に起因していると考えられる。これを解決するために今後は非金属製ガスケットの開発が必要である。
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