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本研究課題では、超流動3Heを軸として、トポロジカル超流動体・超伝導体に広く発言する動的量子現象を明らかにすることを目的とする。初年度はまず、系が保有する離散対称性とトポロジーの関係性に注目し、その一般的な帰結としてトポロジカルに守られた準粒子状態がイジング的な異方的磁気応答を示すことを示した。これらは、光格子トラップに閉じ込められた冷却フェルミ原子気体系や重い電子系超伝導体UPt3などのような鏡映対称性を持つ系に適用した。一連の成果により、トポロジカル準粒子のイジング磁気異方性とその背後にある離散対称性の一般的関係性が強調された。さらに、トポロジカルに守られた準粒子状態が奇周波数クーパー対相関を持つことを解析的に示し、低エネルギー準粒子状態が２つの別の側面を持つことを明らかにした。イジング磁気異方性を守っていた対称性が破れることにより、トポロジカル準粒子状態の別の側面である奇周波数クーパー対相関が巨大な「常磁性応答」を示すことがわかった。これはバルク超流動・超伝導の「反磁性応答」とは質的に異なり磁気応答であり、系の持つ非自明なトポロジー・対称性・クーパー対相関などの要素が絡み合って生じる新奇な磁気応答である。この磁気応答と奇周波数クーパー対相関に関する一般的な理論を構築し、超流動3HeやUPt3などに適用した。一連のイジング磁気異方性に関する研究成果に加えて、チャーン数で特徴付けられるトポロジカル超伝導・超流動体の量子渦に束縛されたマヨラナ粒子の非可換統計性と対称性の関係性についての新しい知見も得られた。系が特定の鏡映対称性を保有する場合は、零エネルギー状態がスピン縮退していたとしても、マヨラナ粒子が非可換エニオンとして振舞うことを示した。実際に回転中の超流動3He-Aにおいてこのような「鏡映対称性に守られた非可換エニオン」が存在すると期待される。
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