軟X線磁気円二色性(XMCD)実験における精度向上および効率化のために測定位置観測システムを新規に導入した。 このシステムを用いて、超伝導強磁性体URhGeの示す強い磁気異方性を元素・電子軌道選択的に調べるために、ウラン4d-5f吸収端におけるXMCD実験をc軸(磁化容易軸)とb軸に対して行った。 キュリー温度以下において、c軸では強磁性的、b軸では常磁性的な振る舞いがそれぞれ観測された。また、c軸とb軸でXMCDスペクトルを比較すると、軌道磁気モーメントとスピン磁気モーメントの比はc軸の方がb軸よりも大きいことが分かった。この結果は、この物質の磁気異方性の起源を理解する上で重要な知見である。
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