ガラス形成のメカニズムの物質組成への依存性を理解するため、複数種の剛体粒子からなる系を調べた。形成過程の詳細によらず、組成だけで決まる一意な性質である最密構造に着目した。これを計算機上で実現するため、Wang-Landau法とレプリカ交換法をあわせた方法を開発し、巨視変数空間における全状態探査によって最密状態を達成した。密度以外の適当な巨視変数も採用することで状態空間の次元が上がっても、探査は早まることがわかった。また、超高密度領域でWang-Landau法が収束しないという問題が発覚し、これに対しては外挿によって対処したが、原因についても詳しい解析を行った。
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