本研究課題は①「高精度結晶構造探索アルゴリズムの開発」と②「固体水素室温超伝導相探索」のふたつに大別できる。①については、ポテンシャルエネルギー面トレッキングを独自に考案・コーディングし、炭素の結晶構造探索に適用できた点、②については、遺伝的アルゴリズムによって先行研究とは異なる新たな金属相を予測し、そのとき最大350 Kの超伝導転移温度が理論的に得られた点を考慮すると研究課題を十分遂行できたといえる。「高圧相の特定」や「高圧縮固体水素の物性」は高圧物質科学の重要な研究テーマとなっており、本研究課題で得られた成果は高圧科学の更なる発展に繋がるものと期待している。
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