研究課題/領域番号 |
25800238
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
牧野 真人 山形大学, 理工学研究科, 助教 (10649172)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ストークス流体 / 任意形状粒子 |
研究実績の概要 |
コンピュータシミュレーションによる解析の研究テーマであるが、当該年度は、理論解析による研究が大幅に進んだ。 流体の中に任意形状をした粒子を置き、回転電場を与えることで、粒子が回転し、ねじのように動いていく現象に関して理論解析を行った。方法としては、ブラウン運動を考えたフォッカープランク方程式をもとに、平均的な配向を算出し、粒子の移動を計算した。 球や円柱などの対称性が高い粒子と比較して、複雑な形状の粒子として面白いものに、右手と左手の関係にあるキラリティのある粒子が興味深い。私は、キラリティに応じて、電場に垂直な進行方向が逆になり、右と左が混じったラセミ体を分離できる結果を理論の面から明らかにした。また、このキラリティを定量的に表すキラルパラメータをプロペラ状の粒子に限定ではあるが、研究を行い、形状から決定するキラルパラメータと流体力学から決まるキラルパラメータの比較を行った。キラリティの”強さ”を言及する理論的解析としては、他にない独自なものが計算で来た。この結果は、学会発表および招待講演で公表した。論文も準備中である。 研究実施計画からすると、シミュレーションによるテーマであったので、計画通りには進んでいない。しかしながら、理論そのものは、有用なものであると考えられる上、シミュレーションを行うに当たって有用な情報が得られたものと考えられる。今後は、シミュレーションおよび理論解析を相補的に行いたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シミュレーションによる方法ではなく、理論による方法で任意形状粒子についての解析が進んだ。これは、当初予定したものからすると進度は遅れていることになる。ただし、この解析をもとにシミュレーションに実施などが出来れば、良好な結果が得られると考えられる。また、シミュレーションコードの作成には、時間がかかるため、十分な時間を工夫できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度は、理論解析に時間を使っており、シミュレーションが実行できなかった。しかし、理論解析には、一通りの区切りをつけることが出来たので、シミュレーションに時間を割き、出来る限り当初の目標に到達したいと思っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、理論計算中心となってしまい、計算機の購入を行わなかった。 また高性能な計算機の購入も検討し、次年度使用額と併せて、高価な設備を導入を考えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
高価な計算機を購入する予定である。
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