臨界滑り量は破壊エネルギーを支配する主要因であるが、最近の実験では伝統的な低速滑りの実験で見出されるmm以下のものより何桁も大きな臨界滑り量をもつ現象が発見されている。これまでに研究代表者らは高速すべり域では粉体特有の多体粒子相互作用に支配される新たな摩擦メカニズムがあることを示してきた。本研究ではせん断速度1-3m/sの範囲の高速せん断領域で速度ステップ実験を実施し10mクラスの長大な臨界すべり量を持つ摩擦の緩和を見出した。この摩擦緩和はすべり速度がステップ状に減速した時も加速時と対称な応答を示し、それに対応して粉体層の厚みも変化していることから、粉体層の構造変化が関与していると考えられる。
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