| 研究課題/領域番号 |
25800268
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| 研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
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研究代表者 |
横井 覚 独立行政法人海洋研究開発機構, 大気海洋相互作用研究分野, 主任研究員 (40431902)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 熱帯大気 / 海上気象要素 / 冷気外出流 / MJO / RAMA / TAO/TRITON |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，熱帯海洋係留ブイ観測網で得られた10年以上の長期に渡る高時間分解能データを用いて，積雲対流活動起源の冷気外出流に伴う海上気象要素（海面近くの風や気温，湿度）変動及び海面熱フラックス（海面からの水の蒸発や熱伝導）変動の気候学的特性と，マッデン・ジュリアン振動（MJO）の活動度や位相との関係を明らかにするものである。
平成25年度，当該研究目的に照らして高品質だと判断したインド洋上南緯1.5度東経90度のブイデータを用いて，各種海上気象要素の日周期以下の変動成分の振幅についてMJOの位相との関係を調べ，COARE3.0アルゴリズムにより見積もった海面熱フラックス変動への影響を論じた。平成26年度は，本研究成果を学術論文誌に投稿すべく執筆活動を行った。
また，MJOの降水変動と下層変動の位相関係はインド洋と西太平洋で異なることから，海上気象要素変動特性のMJO位相依存性も両海域で異なる可能性がある。そこで，上記インド洋上のブイデータに加え，西太平洋上のブイデータの解析にも着手した。北半球冬季のMJOの振幅の空間分布を考慮しつつ，データが高品質で長期間存在することを条件にブイを選定した結果，南緯5度東経165度及び南緯5度東経180度のブイデータが研究に適していることがわかった。データ解析の結果，海上気象要素変動特性のMJO位相依存性はインド洋上の結果と大きな違いはなかったものの，海面熱フラックス変動への影響は異なっていることがわかった。具体的には，MJO対流活発時における海上気象要素の日周期以下の変動が海面熱フラックスの日平均値に及ぼす影響は，西太平洋のほうがインド洋よりも顕著に小さかった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度内に研究成果を論文にまとめて投稿する予定だったが，他の業務のためほぼ１年中海外出張を行っており，執筆に割く時間が思うように取れず，論文の完成が次年度に持ち越しとなったため，「やや遅れている」と自己評価した。
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| 今後の研究の推進方策 |
まず，平成26年度及び平成25年度の研究成果を論文化して学術雑誌への投稿を目指す。
また，これまでは主に大気側のデータのみを用いて研究を行っていたが，積雲対流活動の大気海洋相互作用への影響を総合的に評価するためには，降水が海面近くの海水温や塩分濃度に及ぼす影響も評価することが必要である。一部のブイは，1時間値でこれらのデータを公開していることから，平成27年度はこの観点からもデータ解析研究を行う予定である。
さらに，近年，米国でブイの保守にかかる予算が削減された影響で，東太平洋のブイデータの取得率が著しく低下しているという問題がある。本研究で得られる成果はブイが存在してこそのものであるため，成果を積極的に発信することで，ブイ維持の必要性を訴えていきたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成25年度の研究成果を論文にまとめる計画であったが，年度内に間に合わなかった。そのため，英文校閲費及び論文投稿料に相当する額が次年度使用額として生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
当該論文の英文校閲費及び投稿料として使用する。
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