本研究では、大型二軸摩擦試験機を用いた岩塩ガウジのスティック・スリップ実験を行った。実験は、法線応力を10-120 MPaまで段階的に変化させて行った。岩塩ガウジの変形様式は、法線応力の増加にしたがって、脆性から準脆性へと遷移した。スティック・スリップの特徴は、脆性・準脆性遷移にともなって、高速すべりからゆっくりすべりへと変化した。両者のすべりにおける継続時間の差は約2桁におよび、これは通常の地震とスロー地震(微動など)の継続時間の差に類似する。さらに、ガウジ試料の組織解析結果は、深部スロー地震が準脆性領域における断層面上の摩擦特性の不均質に起因して発生している可能性を示唆する。
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