地下深部微生物の活性と生息限界の支配要因を明らかにするため、統合国際深海掘削計画第337次航海により採取された三陸沖堆積盆地の堆積岩を用いて物理的因子(温度、間隙率、透水性、水分活性)と微生物活性との関係性を評価した。熱物性測定の結果から、地下深部の温度は堆積物の間隙率と構成鉱物比が強く影響していることがわかった。また水分活性はいずれの深度でも高い値を示し、間隙水の化学成分が支配していることがわかった。間隙率と微生物数には強い相関が認められたが、水分活性とは相関が認められなかった。よって本研究結果は間隙率・間隙径が地下深部の微生物活性に一番強く影響を与えることを示唆する。
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