研究課題/領域番号 |
25800286
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清家 弘治 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (20645163)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生痕 / 砂浜 / 底生生物 / 生物撹拌 / 生痕化石 / 古環境 / 古生態 / 潮下帯 |
研究実績の概要 |
前年度(2013年度)には,茨城県鹿島灘における生痕相の分布を調べることを目的として,広域的なフィールド調査を実施した.その結果を踏まえて2014年度には,2013年夏季に茨城県鹿島灘で採取した海底堆積物および堆積物コアの各種解析を実施した.海底堆積物の総有機炭素量(TOC),総窒素量(TN),および炭素・窒素の安定同位体比(δ13Cおよびδ15N)を測定した.また,前年度に実施している粒度組成の結果も合わせて解釈し,鹿島灘内における底質環境の差異を考察した.その結果,鹿島灘では北側ほど細粒な堆積物が分布していることが分かった.また,鹿島灘の南北の両端はそれぞれ利根川および那珂川の影響を受けていることが判明した.これらの結果は,堆積物コア中に見られる生痕の発達度合いとも相関があることから,各種環境因子と生痕相の関係性を評価するうえで重要な知見を得ることができた.また,2014年度にも鹿島灘においてフィールド調査を実施し,大型底生生物の採集および海底堆積物の採取を実施した.これにより,2013年度および2014年度と2年分の野外観測データを得ることができ,調査海域における生痕形成者についての知見を蓄積することができた.得られた観測結果は2013年度および2014年度とほぼ同一であることから,この海域における大型底生生物の分布,および生痕相の分布は変動しておらず一定であることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査海域の海底堆積物および堆積物コアの各種解析が順調に進展しているため.
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今後の研究の推進方策 |
2013年度および2014年度にフィールド調査で得られた海底堆積物,堆積物コア,大型底生生物採集結果などの解析結果をまとめ,浅海環境における環境因子と生痕相の関係性を明らかにしていく.そして,浅海成の地質記録に見られる生痕化石についての古環境・古生態学的知見を得る.
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