本研究では主に高温一軸圧縮試験による高粘性溶岩の変形実験を行い,そのレオロジー的性質およびこれに及ぼす浮遊結晶の影響について検討した.実験は,気泡・結晶をほとんど含まない黒曜石溶岩,38体積%の結晶とガラスのみからなり,気泡を含まない安山岩質溶岩,メルト‐結晶‐気泡3相系の安山岩質溶岩(桜島昭和溶岩)について行った.この結果,本実験手法による粘性率測定が信頼に足ること,既存のメルト粘性率モデルが妥当であること,斜長石板状結晶の配列がマグマの粘性率に著しい影響を及ぼすこと等を明らかにした.また,桜島昭和溶岩のレオロジー則の定量モデル化に成功し,粘性-脆性遷移の条件について決定した.
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